No.42「花粉」
◆◆ 花粉症の季節
こんにちは。
天気予報に花粉情報が出てくる季節になりました。
花粉症の方、ご苦労様です。
今日は夕方から雨が降るみたいなので、花粉もおさまりそうですよ。
近畿地方南部だけかな。
◆◆ 花粉
前回は 葯 についてお届けしました。
この 葯 の中にたくさんの花粉が入っています。
条件が整うと、より多く広く散ってもらおうと、花粉が出てきます。
風や虫によってめしべまで運ばれ、受粉します。
風によって花粉が運ばれるタイプの植物を 風媒花(ふうばいか) といいます。
樹木ではスギ、ヒノキ、ケヤキなどがあります。
草ではカモガヤなどのイネ科植物、ブタクサやヨモギなどのキク科植物があります。
それに対し、虫によって運ばれるタイプは 虫媒花(ちゅうばいか)といいます。
ラン、レンゲ、菜の花、ヒマワリ・・・たくさんあります。
甘い蜜を出して虫を誘い、よってきた虫の身体にくっついて花粉が移動します。
花粉症の主な原因とされているのがスギ花粉です。
風媒花 は 虫媒花 より花粉の数が多く作られます。
虫が寄ってくるための蜜が作れないからです。
風に乗って、より遠くへ、より広い範囲に飛んでいくためです。
よって、風媒花の花粉が花粉症の原因となることが多いようです。
花粉症の95%のアレルゲンがなぜスギ花粉なのか、
これは日本の林業が停滞したことに一因があると思います。
日本は、家を建てるのに、安い木材を外国から輸入しています。
当然、日本に昔からある建築材のスギが使われなくなります。
需要が少なくなり売れないので、スギの手入れをしなくなります。
スギの主な手入れは、高く上に伸びるように枝を切っていく枝打ちです。
枝打ちされないまま山に放置されると、枝が増えます。
枝が増えると当然花の数も増えるので、花粉も増えます。
そして堂々、花粉症の原因だんとつ1位になってしまったのです。
日本が木材を輸入すことによって、輸出している国の木が切られています。
森林伐採です。
アカデミー賞で気球温暖化がテーマの映画が賞を取っていましたが、
森林伐採はまさにこの原因のひとつです。
いかんいかん。
つい、どんどんグローバルな話になってきてしまいます。
えっと、虫媒花に話を戻します。
ミツバチは蜜を集めるときに花粉も集めます。
花粉団子といいますが、これが栄養の塊なんです。
例えば、ケセルチンというフラボノイドが、
体内のヒスタミンの分泌を抑制し、花粉症の症状を和らげたりします。
ローヤルゼリーなどの原料もほとんど花粉からなっています。
花粉がないと受粉できません。
受粉できないと種ができません。
この季節、とかく花粉は邪魔者、厄介者扱いされます。
花粉は悪者じゃないんだ~! 花粉だって大事なんだ~!
っていうことが言いたかったんです。
◆◆ お知らせ
(略)
◆◆ 編集後記
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
先日、フラワーデザインの大きな展示会に行ってきました。
全ての花粉がアレルゲンではないにしても、
これだけ花があったら、花粉症の人は大変やろなーて思いました。
花をひとつも使っていない作品もあり、
「フラワーデザイン」とちゃうやん!と心の中でつっこんどきました。
お花って、ほんっっっとに素晴らしいですね~!
今後も植物について、色々な情報をお届けしていきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いします。