No.48「脱分化」2007.04.13

◆◆ 長持ち

おはようございます。

京都ではまだまだ桜が咲いています。

しかも綺麗にもりもりと。

観光地では、飲食関係のお商売は
儲かってるだろうな~なんて思いながら見上げています。

ほんとに今年の桜は長持ちです。

咲いてからのこの冷え込みに感謝です。

あ、でも地域差がありますよね。 f^^

◆◆ 脱分化

今回のテーマは 脱分化(だつぶんか)です。

植物の一部の細胞や組織に特殊化が起こり、区別を生じることを 分化 といいます。

むむむ、いきなり難しいですね。

たとえば、葉ばかり出てきてたのに、ある時期になって花芽ができた、などです。

これは日長や温度の変化によって 花芽分化 が促進されたからです。

植物の一生の中で、分化がいっぱい起こって芽が出たり、花が咲いたりします。

普通の、あたりまえの流れです。

ところが、たまに逆行するやつがいます。

つぼみと見せかけて、実は葉やった・・・・とか。

花が咲いたんやけど、花の中心から新しい葉が出てきた・・・・とか。

たまに見ることないですか?

チューリップなどでよく見ることができるんですが・・・。

これは何らかの要因によって分化した花芽が 脱分化 したと考えられます。

むむむ、またまた難しいですね。

たとえば、イチゴで説明します。

通常、イチゴは5月ごろ花が咲きます。

そして実がなり、大きくなっていって、収穫となるわけです。

これは春になって温かくなり、花芽が分化し、開花、結実・・という流れです。

ところが、春になり、そろそろ花芽がつく頃かなって時に寒気が戻ってきたら?

花芽は「おいおい、春とちゃうんかい?寒かったら花咲かせられへんでぇ」と
花芽としての成長を途中でやめてしまいます。

そして花芽が分化初期の場合、

「そんなに気温が低いんやったら、やっぱり葉になっとこーっと」
と(言うかどうか分かりませんが)、分化をやめて、
花芽とも葉ともいえない細胞の状態に戻ってしまいます。

このように分化した細胞が、未分化の状態に戻ることを 脱分化 といいます。

以前、キャベツにできたカルスの紹介をしました。
(皆さん、覚えたはるかな・・・・・? f^^)

カルスは「未分化な植物細胞の集まり」です。

根でも茎でもありません。

一旦キャベツの維管束(いかんそく)となった組織から、
細胞が脱分化して未分化な状態になったものです。

脱分化が起こる原因は、温度、日長などがあります。

この春は一旦あたたかくなってから寒い時期がありました。

東京の方では桜をバックに雪が降っていました。

桜吹雪ではなく、本物の吹雪でした。

桜は「こんなの聞いてないよ~」とぼやいてたかもしれません。^^

この寒さで色んな植物で脱分化が起こっているかもしれません。

これから育ってくる過程で、植物になんか変なのが現れたら、

「脱分化?」

と漫才なみの突っ込みを入れ・・・・・・・なくてもいいです。

次回は、この続きで 再分化 をお届けします。

◆◆ お知らせ

(略)

◆◆ 編集後記

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今日は夕方から雨になると予報が出ています。

10日間ほど楽しませてもらった桜もきっと散ってしまいますね。

見納めかも。

今年は長いこともってくれてありがとう。

今後も植物について、色々な情報をお届けしていきたいと思っています。

どうぞよろしくお願いします。