土壌三相
土には固相、液相、気相の三相があります。
それぞれの割合が 植物の根の発達や養分、水分の吸収に大きく関係します。
花の栽培では、土の他に有機物もかなり混合し、とくに鉢物用土ではその比率が大きいので植物の側からみた土の物理性として、土の粒子間のすきま(孔隙)の多さが通気性、透水性、保水性に深い関係を持ちます。
■固相:土の粒子が占める容積
■液相:毛管孔隙と同じで毛管作用がはたらくごく狭い間隙の容積
■気相:毛細作用がはたらかない粗い間隙の容積
一般の土でも容積中60~70%は孔隙で、とくに鉢植え、プランター用土に用いる配合土は 80%以上の孔隙をもっています。
孔隙の中でも液相割合が大きいと最大容水量の大きい土ということになり、 保水性が高く、乾きにくい土となります。
気相割合が大きいと透水性が大きく、通気はよいが乾きやすい土となります。
砂のように土の粒子が一つの塊のものを単粒構造といい、粒の大きさが小さくなると液相割合を増し、大きくなると気相割合を増します。
ところが鹿沼土や風化した田土は単粒がいくつか集まって団粒構造になっているので 団粒そのものに液相をもち、団粒の間に気相をもつことになるので、 液相、気相割合を適度に保ち、保水性、通気性ともによい土といえます。
また、団粒構造に似た構造の腐葉土やピートモス、また鉱物質のバーミキュライトや パーライトも土に配合することによって液相、気相割合をふやすので、花の栽培土や配合土はこれらの素材がかなり配合されています。